ダメだ。あの人とどうにかなったら、絶対、美雨が傷つく。
先輩、美雨にちょっかい出すのは止めてくれ。
美雨は俺の、大切な____俺の?……俺のじゃねぇし。どんだけ、傲慢なんだか___
「真央」
名前を呼ばれて、ふと我に返る。
「ご飯、これ位でいい?」
お兄が、ご飯茶碗を片手に訊ねる。「あぁ、うん」と頷き、茶碗を受け取った。
家に着くと、モヤモヤした気持ちを洗い流したくなり、美雨とお兄が食卓を囲むのを横目に、先にシャワーを浴びた。そして着替えを終え、一人、食卓に着いた所だ。
「さぁて、私もお風呂入っちゃおう~」
リビングでくつろぎながら、バラエティ番組を見ていた美雨が、二階へ上がって行ったのを見て、お兄が、豆腐と大根の味噌汁を俺の前に置きながら、隣の椅子に腰を下ろした。
「二十八日のことなんだけど……」
階段を方を確認しながら、小声で訊ねる。
「二十八日?今月の?何かあったか?」

