ぶつぶつ文句を言いながらも、先輩は「またメールするから」と何度もこちらを振り返りながら、ようやく去って行った。
「何?メアドとか交換したワケ?」
そう訊ねると、「成り行きで」と美雨は苦笑いをした。
「何?蛍先輩に狙われてんの?」
「そんなんじゃないよ。蛍さん、私の他にも女友達、たくさんいるって言ってたし」
美雨は慌てて否定する。
確かに、弟の星夜ですら呆れる位に、蛍先輩のカノジョは、次から次へと変わるらしい。
遠野家のルールに、「女人入るべからず」とあるらしく、高校生の兄弟が二人暮らしをするのを許可する代わりに、両親と約束したのだと、星夜が言っていた。
「でも、兄さんは女の人は家には連れて来ないんだけど、自分が泊まり歩いてるみたいなんだ。年上の大学生とかOLとか、一人暮らししてる女の人と付き合ってるみたい。母さんにはとても言えないんだけどさ」となかなか家に帰って来ない、兄を嘆いていたことがあった。
年上の女が好きなら、子供っぽい美雨をわざわざ選ぶか?
逆に、同年代にも興味はあるとか?女好きなら、誰でもいいのか?

