いい機会だし、覗いてみるか。
閉店は確か二十時だって言ってたっけ?今から行けば、働いている美雨を見ることもないだろう。
突き当りを曲がり、バス通りに出る。
確か、スーパーの向かい側のカフェだったよな?
通りを挟んだ向かい側に建つ、大型スーパーを目印に、通りを進む。白塗りの壁の小さなカフェ……あぁ、あそこか。
目的地を数メートル先に見つけ、ようやく安堵した。
タイミング良く、店の扉が開き、中から美雨らしき人物が現れた。おぉ、なんたる偶然。
「美……」
声を掛けようとした所で、唇を噛みしめた。
他に誰かいる?スタッフ?いや、店のスタッフは全員女だって、言ってたよな?美雨に続いて、店の中から出て来た影は、どう見ても男だ。
誰だ?
好奇心と、焦りと、自分の中で良く解らない感情がグルグルと回っている。
「美雨!」
気付いたら、声を上げていた。

