「じゃあ、またね。つばさちゃん、plese to meet you!美雨ちゃん、また連絡するね」
何度も振り返り、手を降りながら、パンダの蛍さんは、去って行った。
早速、風船が欲しい子供たちの襲撃を受けている。
それにしても、たった一度、耳にしただけで、つばさんの名前を記憶するとは、だてに女好きやってないな。
特技は女の子の名前を覚える事っていうのも微妙だけど。
「みんなー、ありがとう。元気でね~」
特設ステージを振り返ると、すでにショーはエンディングを迎えていた。
お姉さんが観客席に手を降り、舞台袖にはけて行った所だった。
「あぁ、いつの間にか終わっちゃってた。ヒーローが勝ったのには違いないけど……」
「この後、握手会があるらしいよ。美雨、参加する?」
「いや、そこまでは大丈夫」と否定すると、つばさんは笑い声を上げた。
飲み物で一息つきながら、観客席の家族連れをぼんやりと眺めていた。
「さっきの男の子」と急につばさんがぼそりと呟いた。
「あぁ、蛍さんの事?」

