フテキな片想い



俺?誰?


眉間に皺を寄せて、パンダの瞳の奥を覗く。


「ちょっと、待って」とパンダは慌てて、首に手をやる。頭を取ろうとしているらしい。


フワフワ浮く風船の糸が絡まり、脱ぐのに奮闘している。


ぷっはーと大きなため息と共に、中から顔を出したのは、蛍さんだった。


頭にタオルを巻き、コメカミの辺りには、うっすらと汗を掻いている。


「蛍さん?」


が、何でここに?


「びっくりした?俺も、びっくりしたよ。たまたま配属されたバイト先に、美雨ちゃんがいるんだから。やっぱ、俺たちって、運命の赤い糸で結ばれてるのかな?」


はい、今日も安定のチャラさ。通常運転なので、スルーする。


「誰?美雨の知り合い?」


隣のつばさんが振り返って、訊ねる。つばさんの苦手なタイプなのかもしれない。


ヘラヘラとした笑みを張り付けた蛍さんを見て、眉間に皺を寄せている。


「あ、どーも、どーも。美雨ちゃんの近い未来の彼氏になる予定の、遠野蛍って言います。よろしくー」