そのとき、視界に小さく、でも確かに見えた。 「…空!」 叫んだ俺の声は聞こえていない。 タクシーに乗り込もうとしている空のところへ急いで走る。 「空!…っ…空!!」 なんども叫んでいるのに、空は振り返らない。 距離も少し遠いからか、まったく聞こえていない様子で空がタクシーに消える。 必死で走ってそこにたどり着いた頃には、空が乗ったタクシーはもう見えなかった。