「また明日」 撮影場所を出ると、少し暖かい風が静かに吹き付けた。 並木道の桜の木々は、もうその花を散らし始めている。 ふと、スマホをみると、もうあの日から一ヶ月以上過ぎていることに気づいた。 日付も忘れるほど、俺は必死に仕事をしていたのか。 最初は長いと思っていた11月までの日々が、一気に短く感じた。 「あと7ヶ月…」 空を見上げると、まるで絵のような水色の空が広がっていた。