今までに見たことのないような空の顔が、少しだけ見える。


「じゃあ、もう遅いから入りな?」

「うん…」


空がドアを開け、外にでてこっちを向く。


開いたドアから、3月の冷たい風が入り込んできた。


少しそこから動かずに、空が立ち止まっていた。


そして、口を開いた。