最後の曲は俺たちが本当に弾くことになっていたから、ありがたい。


練習はしているけど、CDで聞き取るにもイメージが沸きにくい。


まだ空は学校だろうから、家に帰ってこれを見ながら練習しよう。


「じゃあ、また」

「はい、また明日」


塩谷美帆は正直今まで苦手だったけど、案外いい人なのかもしれない。


そう思いながら、現場を後にした。