「あ、おつかれさまでした」 「おつかれさまです。ちょっとお時間いいですか?」 そう俺にきいたのは、共演してる塩谷美帆で、俺は時計を見ながら、時間は大丈夫だと伝える。 「じゃあ、これ…」 渡されたのはDVDだった。 今やってる映画は音楽の話で、ピアニスト役の俺と塩谷美帆はライバルという立場にある。 「私たちの最後のシーンで弾く曲、これなんです。見てみてください」 「あぁ、うん。ありがとう」