「キャーー!!」 11月も終わりに近づくなか、たくさんの女の子たちの歓声に、笑顔で手を振って応える。 「シトラスのみなさんでした。ありがとうございました」 この世界に飛び込んで、20年がたった。 たくさんの歓声にも、まぶしすぎるステージにも、さすがにもう慣れた。 「ねぇねぇ、今日の司会のアナウンサーかわいくなかった~?」 メンバーの自由人、准(ジュン)くんが俺の膝の上に乗りながら話す。