言の葉~「死ね」と言ったら殺人ですか?~



 気づかれないうちに、と真人はかばんを抱きしめ電車を飛び出した。


 ホームに着地して、はりつめていた緊張をとく。


 だが、それは早すぎたのかもしれない。


 安堵しきった真人が、走り出した電車を振り返ると____


 目が合った。


 二つ結びの彼女。


 なぜか不安げな瞳は、すぐに走り去っていく。


 真人はホームに目を落とす。


 冬だというのに、背中に嫌な汗をかいた。