誰よりも早く下駄箱に着き、誰よりも早く玄関へ出る。
いつも通り、廊下が騒がしくなりはじめるころには真人は校外で大きく深呼吸していた。
人並みに足は速く人並みに体力もあるが、やはり三階から一気に階段を駆け降りるのはきつい。
それなのになぜこんなに早く出るのかと言えば、人に会うのが嫌だからだ。
廊下をひとりで歩いているのを見られるのが嫌。
こちらをジロジロ見て、コソコソと喋られるのが嫌。
一度守と一緒に帰ったこともあったが、それはそれで周りのくすくす笑いが聞こえてきた。
自分でも自意識過剰だと思うが、考えるのを止められない。


