言の葉~「死ね」と言ったら殺人ですか?~



 しばらくの間天井で揺れていた北村廉の遺体は、一時間目がはじまるちょうど十分前に小林が回収していった。


 大きなカバンに詰められて運ばれていった彼女。


 一つの生命が失われるまで、三十分もかからなかった。


 あっけない。


 自分もこんな風にして死んでいくのだろうか。


 もちろん、それは今ではない。


 真人は山本咲良に”死ね”と言ったどころか、話しかけた記憶すらない。


 ただ、何十年か後、


 おじいちゃんになって、


 自分も北村廉のようにあっけなく死ぬのだろう。