廉は目の前で揺れている輪に首を入れた。


 顎のしたに感じるロープ。


 最後くらい、自分でけりをつけてやる。


 さよなら。


 机を蹴った。





 薄れていく意識のなか、最後に目に映ったのはマフラーの赤色。



<北村廉 END>