ばん、と音がしてドアが乱暴に開けられた。
話をしていた廉達も、一度黙ってドアのほうを向く。
クラス中の視線が集まる中で、入ってくるのはきっと、制服のしたに赤とか緑の原色Tシャツを着た、茶髪と黒髪の男子二人組だ。
反動で閉まっていくドアを体で無理やり押し返しながら現れたのは、やはり公介と充だった。
「充、おはよー」
夕菜が可愛らしく裏声で充の元へと駆け寄っていく。
「あ、マフラー。そっか、今日から十二月だからしていいんだね」
充の首に巻かれたマフラーを見るふりをしながら、さりげなくボディタッチ。
「いいねぇ。先週付き合いだしたばっかりのラブラブカップルは」
伊織がヒューヒューと口笛を鳴らす。
「伊織、あんたおっさん?」
呆れ顔の廉に、伊織は向こうを顎で示した。
「ほら、廉も。彼氏が待ってるよ」


