「おぉ、言うね」
「だって事実でしょ」
小首を傾げてみせた夕菜に、廉達は苦笑した。
確かに、廉たち四人組は世間一般では可愛いともてはやされる部類に入るだろう。
がさつにしているように見えて、みんな、おしゃれに気をつかっている。
中学のときは、ただただスカートは上げれば可愛いもの、眉毛は細ければいいもの、と思っていた廉だって、高校に入ってちゃんと化粧をすればかなりの美人になった。
「そのヘアピン可愛い~」
廉の脱色した髪に、夕菜の指がのびてくる。
「でしょ。こないだ売ってるの見つけて、ひとめぼれ」
「え~、いいなぁ。どこで買ったの?」
ほら、可愛い子は情報収集に余念がない。


