その中に”死ね”という言葉が含まれていたかどうかは、やはり覚えていない。 それだけと言うべきか、そんなにと言うべきか。 昨日電車の中でひっそりと嗚咽を漏らした理由、顔も知らず、ただかわいそうな少女のために殺人犯を糾弾した彼らなら、そんなにだと言うのだろう。 しかし、廉にはそうは思えない。 それは、今まで一度も”死ね”と言われたことのない強者の言い分なのか。 「覚えてません」 顔を上げて、廉はそう言った。 朝の太陽の光がまぶしい。