言の葉~「死ね」と言ったら殺人ですか?~



 すると、それまで廉が文字を消すのをただ見ているだけだった伊織が、廉のもとへ歩み寄ってきた。


 書かれてても、ほうっておいたくせに。今更友達ぶるな。


 怒鳴ろうと思った。


 しかし、その声は喉まで来て、完全に消えてしまった。


「伊織……?」


 代わりに、心配しているような口ぶりになる。


 だって、伊織の目があまりにうつろだったから。


 死んでいる。死んでいる。