言の葉~「死ね」と言ったら殺人ですか?~



「さっさと食べる!」


 ごはんと目玉焼きをかきこませて、ランドセルを背負わせ、なんとか三人を追い出したのは七時半過ぎ。


 やば。


 廉も急いで支度をしないと遅れる。


 鏡の前に立ち、身だしなみのチェック。


 幸いなことに今日は寝癖がついていないので、毎朝のヘアアイロンは省ける。


 スカートの丈を微妙になおし、ブレザーのほこりもとって、廉は最後に、こっそり隠していた紙袋の中から赤色のものをとりだした。


 隠していた理由は、弟達に遊ばれたくないから。


 弟達が目を付けたが最後、お小遣いをためて買ったブランドの服も、気に入っていたコスメも、全部むちゃくちゃになる。


 これだけは、絶対に、見つかるわけにはいかない


 そう思って必死に隠していた。