「あ、そだそだ。前みんなで遊びに行ったときのプリね、持ってきたよ」


 夕菜がカバンの中をごそごそとまさぐって、そして四枚のピンクのシートを取り出した。


「あー、もう遅すぎー。遊びに行ったのいつだったと思ってんのよ。夕菜にはさみ係任せるんじゃないねー」


 伊織が口をとがらせながら、一枚を受け取る。


 ”はさみ係”というのは、プリクラを切ってくる役目のことを廉達はそう呼んでいる。


 ゲームセンターにもはさみは置いてあるのだが、たいてい誰かが使っているので、いつもジャンケンで負けた人が切ってくるのだ。


「じゃあ夕菜は、これからはさみ係しなくていいってこと? やったー」


「いやいや、そういう訳じゃないから」