廉が顔を上げると、同じく顔を上げた伊織と目が合った。 夕菜も顔を上げて、残るはただ一人。 春穂が、こわばった顔で携帯の画面をスクロールし続けている。 「は……」 廉が声をかけると、 「ちょっと気になっちゃって!」 焦ったような春穂の声でかき消された。 「そう、それだけ」 小さくつけ加えられた春穂の声がだんだんしぼんでいく。