言の葉~「死ね」と言ったら殺人ですか?~



「小林先生、いらっしゃいますか」


 ドアから首だけ出した廉が尋ねると、


「はぁい」


 声がして、小林が奥から歩いてきた。


 ……よかった。小林はふつうそうだ。


 だがほっとしたのもつかの間、廊下を静かに歩き始めた小林から、とんでもない言葉が飛び出てきた。


「山本咲良を殺したのは君?」


「まさか」


 廉はそう答える。


「あ、殺したっていうのは”死ね”って言ったって意味だよ」


「わかってます」


「僕も殺人犯が君じゃないことを願うよ。僕だって、自分が担任をしている子を殺したくない」