日直は、クラス全員の帰りの準備ができたら、先生を職員室まで呼びに行かなくてはならない。
日直が呼びに行って、先生が来て、ようやくホームルームが始まる。
つまり、廉が呼びに行かなくちゃ、みんな帰れない。
早く家に帰りたい。
でも、呼びに行った廉は、クラスの誰よりも早く小林に会うことになってしまうのだ。
「一人で行ける?」
夕菜が上目使いで聞いてくる。
いつもは、四人のうち誰か一人が日直なら全員で行っていたのだが、夕菜をはじめ伊織も春穂もついてきてくれるつもりは一切ないようだ。
「一人で行けるよね?」
なかなか返事をしない廉を、夕菜がせかした。
「うん、行ける」
真面目に、全員の帰りの準備ができてから先生を呼びに行くクラスなんてない。
まだざわざわしている教室をあとにして、廉は職員室へ向かった。


