言の葉~「死ね」と言ったら殺人ですか?~

ふぅ、と春穂は息をついた。


やはり考えすぎだったらしい。


下川さんが差し出したのはただの消しゴムだった。


かなり使い込まれて申し訳程度にカバーのついた消しゴム。


「消しゴムかぁ。誰か心当たりある?」


と小林が消しゴムを高く掲げる。


ん? あれは?


春穂は目を凝らした。


白かどうかも疑わしいほど汚れた消しゴムのちょうどカバーに隠れた部分、ほんの少しだけはみ出て文字が見えている。


何? 嫌な予感がする。