昨日は結局あのカフェで夕菜と岡本くんと三十分ほどつまらない時間を過ごしたあと、二人だけ夕方の街に消えていき春穂は一人電車に乗って帰った。


岡本くんが自分と夕菜の会計をだけを済ませてそれを夕菜が追って、賑やかな店内で一人ぼっちを感じたのもいい思い出だと自虐的に振り返ってみる。


夕菜はあれから岡本くんとカラオケに行ったようで、前の席から振り返って二人で撮った可愛らしいプリクラを見せてくれた。


キーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴り、夕菜が時計を見る。


「ほぉんと、朝って時間たつの早くなぁい? まだ話したいのに~」


「そうだね」


春穂が苦笑気味に返すと、ドアを開けて小林が入ってくる。


ホームルームの開始だ。