廉を生贄として差し出すことで、伊織と夕菜そして春穂の命は守られたようだった。 結果として伊織は死んでしまったけれど、夕菜と春穂はこうして生きている。 友達であった廉の命を間接的にではあるが奪ってしまったことを忘れて、 淡い片想いも忘れて、 日記にも書くことをせずに、 そう、彼女のことも忘れて……。