アニメの乱雑な音、 母親の「おかえりー」の声、 すべてに何も感じず、真人は自室へと向かう階段を上った。 じめっとして暗い室内。 本棚から守に借りっぱなしの漫画を取り出す。 へなちょこの主人公が仲間と出会い成長していく王道バトルファンタジー。 読み進めていくうちに、涙が止まらなくなる。 ふと、上を見上げれば、 カーテンレールにちょうど紐がくくれそうだった。 「真人ー、もうご飯よー。あれ、なかなか降りて来ないわねぇ」 <今野真人 END>