真実はひとつ



「お前、そろそろいい加減にしろよ?」


私は広田に近づいた。



「クラスのためにとか思わないわけ??」



怯えた顔しやがって。


ほんとに自分だけ被害者面してムカつく。


「………陽介くんにも媚び売りやがって!」


そう、これが一番の原因だ。



あいつは私の好きな人にも、媚びを売って、好かれようとしてるの!!



みんなもそれを理解してくれている。



「なんか、言ったらどうなの?」


私の友達の相良 柚木 (さがら ゆずき)
が責める。


「……う!違う!」


今日のあいつの第一声だった。