直後、スースーと寝息が聞こえてくる。



は? まじで?


この体勢で寝たのかよ……。



立ったまま寝るとか……。



苦笑しつつ花を見下ろすと、フッと自分の顔から笑みが消えるのがわかった。



俺の体にもたれかかるようにして、眠る花。



その背中に俺は ─── 手を回していた。



空いた左手を、花の頭に添える。



優しくそっと、包み込むように花を抱きしめる。



今にも脆く割れてしまいそうな、その体。



「……ばか、嫌いになるわけねーじゃん」



なぁ、もう乱すなよ、俺の気持ち……。



「最初から他の女なんて眼中にねぇよ」



俺の腕の中にいる花の体温が熱くて。






今だけ


今だけは




このままこうしていたい








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