蓮の姿が見えなくなった途端。 かぁぁっと一気に顔が火照りだす。 「……っ」 へなへなと今にも崩れ落ちてしまいそうな足に力を込めるのに、精いっぱいで。 な、なんだったの、今の……! からかわれた……の? 蓮が触れた唇から甘い痺れが身体中に伝わって、熱を持つ。 心臓が壊れちゃうかと思った……。 まだ騒がしい鼓動を聞きながら、私はまだ蓮の指の感覚を覚えている自分の唇に、そっと触れた。 ◇ ° ◇