そして、自転車が走ること10分後。
「うっわー!
すごい! 海だー!」
目の前に広がっていたのは、キラキラときらめく海。
蓮が連れてきてくれたのは、海だった。
「ここ、意外と知られてない穴場なんだよな」
確かに、私達の他に人はだれもいない。
それが余計に開放的で。
「海に来たのなんて、何年ぶりだろう!
ワクワクする!」
「ふっ、はしゃぎすぎ。
ガキかよ」
目を輝かせ海に駆け寄る私に、自転車にもたれながら苦笑する蓮。
だってだって、はしゃがずにはいられないよ。
こんな素敵な場所に来られるなんて。
高校からそう遠くない海に、放課後だれかと行くのが、密かな夢でもあった。


