次に覚えているのは、男の子におぶわれていたときのこと。
状況を理解できず、まだふわふわしている頭で、私は目の前の男の子のキャップを見つめた。
『あれ、花、どうして……』
『熱をだして、寝ちゃってたんだ。
君の家まで送ってくよ。
あの高台に住んでる子だよね?』
私をおぶってくれている男の子が、そう言った。
『なんでしってるの……?』
『ツインテールの女の子が住んでるって聞いたことあるんだ』
男の子が歩くたび、心地よい振動が体を微かに揺らす。
男の子の背中は、優しくて温かったのを覚えてる。
そして男の子の声は、混乱しきった私の心を安心させてくれた。


