【完】365日、君をずっと想うから。



「花、なかなか声だして笑わねぇから。
俺がいた世界でも、今も。
ったく、そんな暗い顔されてると、こっちまで鬱になるっつーの」



「蓮……」



また、優しさが見えた。



そんなこと、気にかけてくれてたんだね……。



ぶっきらぼうな蓮が垣間見せる優しさに触れるたび、言いようのない温かさが心を包み込む。



「もっと飛ばすか?」



静寂を切り裂くように、蓮が明るい声を上げた。



「うん……!」



蓮の背中に掴まっていると、体温が直に伝わってくる。



蓮の背中、大きくてなんだか安心するなぁ……。



見た目は細いのに、その背中は男子であることを改めて実感させられる。



蓮を近くに感じるたびに、心臓の動きが騒がしくなるのはなんでだろう……。