【完】365日、君をずっと想うから。



動きだす自転車。



途端に、心地よい風が髪を撫でていく。



「わー!きもちーい」



さっきまであんなに怖かったはずなのに、あっという間にそんな恐怖心はどこかに飛んで行ったようで、思わず歓声を上げてしまう。



「ふふっ、楽しいー!
自転車の荷台ってこんなに気持ちいいんだ!」



「だろ?
花、喜ぶだろうなって思ってた」



「すっごく楽しいよ、蓮っ」



笑顔で声を弾ませてそう答えると、蓮の肩の力がフッと抜けたのが分かった。



「やっと嬉しそうな声聞けたな」



「え……?」



思わぬ言葉に笑みが消え、鼓動が揺れる。