躊躇う間も無く、ずんずんと引っ張られていく。 「ま、待ってよー!」 「待たねーよ」 私の意見なんかまるで無視で、やっぱり強引。 授業じゃないとはいえ学校をサボるなんて、 したこともしようとしたこともなくて。 本当なら、なんとかしてでも拒めばよかった。 でも、 蓮の大きな手を、振りほどけなかったんじゃない。 振りほどこうとしなかったんだ。 それは、蓮の誘いを断るつもりのなかった証拠───。