◇ ° ◇ 数日後お通夜が行われ、今日は告別式。 蓮のお父さんから、蓮は病気で亡くなったと伝えられた。 式が始まる前、私は祭壇の前に立ち、眠っているような蓮の姿をずっと見ていた。 今にも起きて、私の頭を撫でてくれそうなのにね。 だけど蓮は、いつまで経っても起きてくれない。 「花ちん、大丈夫?」 ローファーのヒールがコツコツと床に当たる音とともに、躊躇いがちな友人の声が背中に響いた。 私の横に並び、ひかるちゃんが背中をさすってくれる。 「ありがとう」 私は微笑みを向けた。