振り返らなくても分かる。



「蓮……っ」



腕が伸びてきた方を見上げれば、やっぱり蓮が立っていて。



「抜けだすぞ」



ニヤッと口の端を吊り上げた蓮。



「抜けだすって……」



なんだか嫌な予感……。



絶対なにか企んでる笑顔だ!



「どうせ集会なんか行っても暇してるんだろ。
だったら俺に付き合え。
言っとくけど、もう決定事項だから」



「でも……って、わっ!」



思わず大きな声を出しちゃったのは、蓮が私の腕を引いて駆けだしたから。