目を開くと、たくさんの墓石が俺の目に写り込んできた。
一瞬今の景色と記憶とが絡まりあったが、やがて自分がお袋の墓参りに来ていたことを思い出す。
だいぶ長いこと、目を閉じていたんだな。
でもこんな時間では、今までのこと全部なんて到底思い返し足りない。
俺はケータイを取り出した。
そして、未送信フォルダを開く。
花から貰ったメールへの返信が、ここにはたくさん溜めてある。
未来では送れなかった花への返信メールを、俺はこっちの世界に来てから書いていた。
でも、多分花に送ることはない。
花に送るには、本心を書きすぎた。
そして、もう花はこのメールなんてなくても大丈夫だから。


