ゆっくりと瞼が降りてくる。
抗うこともできず、目を閉じようとしたそのとき。
『……蓮っ!』
ずっと聞きたかった、でも今は一番聞きたくなかった声が、俺の名前を呼んだ。
『蓮……!』
薄れていく意識の中で、俺を掴んで離さない声。
ゆっくりと視線を、声がする方に向けた。
視線の先では、花がスクールバックを投げだして、こちらへ駆けてきていた。
なんで来ちゃうんだよ、花……。
そう思ってもなにもできないでいると、花が覆い被さるようにして、横たわっている俺にを抱きしめた。
『蓮、蓮、大丈夫……っ?
ねぇ、返事して……っ』
『……花』
やっとのことで、その名前を呼ぶ。
『ねぇ、どうしたの……?
どこか悪いの……っ?
お願い、しっかりして、蓮……!』
『……俺、は、もう花と一緒に、いられねぇんだよ……』
『え……?』
一瞬にして、花の声が絶望と混乱の色に染まる。


