次の日、放課後になると、俺は丘へ向かった。
次の日も、そのまた次の日も。
もう死んでもいい、
そう思っていたあの日が、どんどん遠ざかっていった。
俺の身体のせいでどこにも連れて行ってやれなかったけど、その分たくさんの会話を交わした。
俺のなんでもない話を、嬉しそうに聞いてくれる花。
だから、明日はどんな話をしようか、どうしたら喜んでくれるだろうか
気づけば、そんなことを考えるようになっていた。
そして、友達として同じ時間を過ごすうちに分かったことのひとつは、花が初恋の人を今でも想っていること。
〝コウくん〟との中学時代の思い出話をするとき、花は一段と目を輝かせた。
そんなときの花は、いつだって〝コウくん〟しか見ていなかった。
その瞳に、俺を映してくれることはなかった。


