【完】365日、君をずっと想うから。



俺がそんなことを思っているとはつゆ知らず、おぼつかない手つきで、血がついてるところをティッシュでこする花。



だけど、何度かこすったあたりで、首をかしげた。



『あ、あれ……?
傷がない?』



『当たり前だろ。
これ、全部返り血。
俺怪我してねぇし』



『え……?』



『お節介』



そこでやっと、花が顔を上げた。



改めて間近で見ると、すごく整った顔をしていることに気づいた。



白い肌に、淡い桃色の頰。


すっと通った鼻筋、血色のいい唇。



化粧っ気なんて、まったくない。



儚さと透明感を持ち合わせていて。



そしてなによりも、1ミリの汚れの色も見せない黒目がちな瞳が、宝石のようにキラキラと瞬いていて、綺麗だと思ってしまった。