【完】365日、君をずっと想うから。



『ちょっと、ちょっと待ってくださいね……!
今、手当しますから……っ』



『は?』



俺が怪訝な表情を浮かべると、誤解を解くようにあわあわと手を左右に振った。



『あの、私、小暮花って言います。
怪しい者とかじゃないです!
だから、安心してくださいっ……』



小暮、花……。



と、俺はあることに気づいた。



ティッシュを持つ手が震えている。


血を見る瞳が、今にも泣きだしそうなほどに怯えの色で染まっている。



まさか、血が苦手なわけ?