【完】365日、君をずっと想うから。



「シノ、くん……」



シノくんは、柔く淡く、今にも消えてしまいそうな笑みを浮かべた。



でも、それが本心から溢れた笑顔ではないことは、一目瞭然で。



だって、泣きそうなんだ、なぜか。



涙を堪えるには笑うしかない、そうして作り出されたような笑顔だった。



「うん……全部、知ってる。
でも、ごめんね。
花ちゃんには話せないんだ」



「なんで……」



口から出た声が、掠れていた。



「蓮が望んでいることだから」



私はそれでも力を込めて首を横に振った。



「お願い……シノくん。
大切なことを見逃しているような気がするの。
私、多分、聞かないと一生後悔する」



「花ちゃん……」