「ごめんね、心配かけて」



トントンと背中を優しく叩くと、ひかるちゃんが首を横に振った。



「花ちんが無事なら、オールオッケーだよ
ーっ!」



「えへへ、ありがとう」



ひかるちゃんが身体を離した。



制服の袖で涙を拭きながら笑うひかるちゃん。



「蓮が行ったから、なにかあっても蓮が助けてくれたとは思ってたけど、やっぱりこの目で確かめたかったんだ」



と、そこでハッとなにかを思いだしたように目を見開いたひかるちゃんが、いきなり拳を作った手をぶんぶんと上下に振った。



「そうそう、蓮といえば!
あの日、蓮、すっごくかっこよかったんだよ!
すごい勢いで走りだしてさ!
いっつも蓮ってダルそうだけど、花ちんのためなら本気になるの!」



「蓮が……」



ひかるちゃんから明かされた事実に、ドキン…と心臓が揺れる。



不謹慎だけど、やっぱり嬉しくて、胸がきゅうっと締めつけられたような感覚を覚える。