【完】365日、君をずっと想うから。



と、そのとき。



「お待たせ、花ちゃん」



穏やかな声がして振り返ると、


「あっ、コウくん……!」


コウくんが少し先に立ち、手を振っていた。



「じゃ、邪魔者は退散するか」



コウくんの姿を見るなり、ボソッとそう言う蓮。



……え?



反射的に蓮を見上げようとするより早く、


「ありがたく貰っとくな、友チョコ」


私の背後に立っていた蓮が、チョコが入った箱をカタカタと振りながら、コウくんにも聞こえるくらい大きな声でそう言った。



そして、


「行けよ、あいつんとこ」


小さく耳打ちして、トン…と背中を押された。



「……っ」



バッと振り返ると、蓮が目を細めて柔く微笑んでいて。



「じゃあな、花」



そして、私になにも言わせないまま、踵を返して歩いて行ってしまう。



〝またね〟って、言わせてもらえなかった……。