嬉しくてこぼれる笑みをこらえきれないまま、スクールバックに大切にしまっていた箱を差しだす。
「はい……!」
「花の手作りチョコか」
蓮が箱を手に取り、目の高さまで持ち上げ、物珍しそうにカタカタと揺らした。
そして、私に視線を向け、
「不味かったら承知しねぇからな」
そう言って、いたずらっ子みたいにフッと笑った。
蓮が、笑った。
前みたいに、私に向けて笑ってくれた……。
ずっと、見たかったんだよ?
この笑顔を。
「うわ、なにニヤニヤしてんだよ」
「えっ? ニヤニヤ…してた?」
「一人でニヤニヤしてた。
なに考えてんだよ」
「なんでもないよーっ」
ゆるゆるになった頰を引き締めることなんてできず、私はさらに目を細めて笑った。
あぁ、私は蓮の笑顔を見ると、こんなにも安心するんだ。
こんなにも簡単に笑顔が移っちゃうんだ。
ずっと、この笑顔を見ていたい。
蓮が笑うたび、なぜかちょっとだけ泣きそうになって、胸があったかくなる。


