「つーか花、寒そう」
私の思考を遮るように、蓮が声を上げた。
そしてこちらへ近づいてきたかと思うと、不意に首に落ちてきた温もり。
蓮の甘い香りが、鼻孔をくすぐった。
見れば、蓮が巻いていた白いマフラーが私の首にかけられていた。
「このマフラー、使えよ」
「え、でも……っ」
私の戸惑いなんて気に留めず、蓮の視線はただマフラーに落とされている。
真剣な表情で、マフラーを一重、二重と巻きつけてくれていて。
「ったく、寒がりのくせに、無防備で外ほっつき歩いんじゃねぇよ」
「……っ」
寒がりのことまで、知ってくれてるなんて。
なにからなにまでお見通しで。
いつだって不器用の裏に隠した優しさが、温かくて。


