「キミ、すっげぇかわいいね〜」
「ちょっ、ハンパなく美人なんだけど!」
「ねぇねぇ、俺たちとカラオケ行かない?」
「へっ……」
気づけば、あっという間に5人に囲まれていて。
後ずさろうとしても、逃げ場がない。
どうしよう……。
これはまずい状況かも……。
この状況に焦りのせいか、手が微かに震える。
助けを求めようにも、辺りには通行人はいない。
人の気配すらない。
怖い……。
「ほら、行こ! カラオケ!」
私の恐怖心なんか他所に、ひとりの不良が無理やり腕を引っ張る。
「や、やめてください……っ」
抵抗しようにも、男の人の腕力に敵うわけもなくて。


