「……蓮っ!」
校門を出て少し走ったところで、やっと蓮に追いついた。
息も切れ切れでやっとのことで上げた声を、彼は拾い取った。
白いマフラーを巻き、ポケットに手を突っ込んで歩いていた蓮が、ゆっくりとこちらを振り返った。
「花?」
あぁ、蓮だ。
蓮が驚いたように少し目を見開いて、黒目がちの瞳でこっちを見てる。
私を、見てる。
「久しぶり……っ」
膝に手をつき、はぁはぁ…とまだ荒い息を整えていると、驚きに染まっていた蓮の瞳は、やがて弧を描いた。
「たしかに久しぶりだな」
走ったせいでバクバクと騒がしかった鼓動が、蓮の視線を浴びて、さらに忙しなくさざめきだす。


